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3、泉のほとり
セントとゼウスは、旅を続けている。
ここは、相模の国あたりである。
「ゼウス様、すごい森に入ってきましたね」と、セント
「森の近くに、泉と城が見えないか」と、ゼウス
「泉と城ですか・・・・・・」と、セントは周りをぐるっと見渡した。
「森と泉に~ 囲まれて~ ブル ブル ブル シャトー」と、ゼウス
「なんですか、それ」
「知らんのか、ブルーコメッツ。略して、ブルコメ」と、得意そうなゼウス
鼻歌まじりに口遊みながら、まだ歌って
いる。
「森はありますけど、・・・・・・あ、あの建物は城じゃなく、小屋ですね」と、セント
「そうか、じゃ、もっと奥にあるのかのう」と、ゼウス
そう言いながら、さっさと歩いて行って
しまう。
「もう、速いですよ。なんで、年寄りなのに、あ、雲の靴履いてますね、反則ですよ」と、セント
「え、ばれちゃった。もう、わしも齢じゃから、ゆるしてちょんまげ」と、ゼウス
「なんですか、それ」
「これから流行るギャグじゃよ」と、スイスイ行ってしまう。
こんなやりとりをしながら、でこぼこコンビは森の奥へと入って行った。
森の中は、大きな木、小さな木、曲がった木、果実が生っている木などさまざまだ。
森というものは、一歩足を踏み入れると、進む道が分かりづらかったり、迷ったりするのが常だが、この森は実に歩きやすく快適だ。
「ゼウス様、あの木の先が明るい感じ
しませんか」
「ほうほう、やっぱり、森と泉に~囲~まれて~」と、歌いだした。
「また、始まった」と、セントは無視している。
そうこうしているうちに、森の先が開けた。
そこには、きれいな空の色を映すかのような青色の大きな泉があった。
「ほら、わしの言うとおりじゃろ」と、得意げなゼウス
「まあ、そうですけど、たまたまね」と、
セント
「これは、予知能力? 千里眼?」と、また自慢げに胸を張った。
二人は、泉のほとりで一休みする事にした。
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