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気付き
そういえばあれは俺のファーストキスなんだなって、あれから1週間経って今日もしている藍斗とのキスの最中に思い出した。
あの時から俺たちの間でキスは常習になっている。
当初は「いいよな?」っていちいち伺ってきていたけど、今は当たり前の様にしてくるし、当然の様に毎回キスの卑猥さが増してる。
始めは優しく触れる程度のキスを繰り返す。
藍斗の舌が俺の唇と唇の間ををなぞり始めたのが合図で、俺が少し隙間を開けると遠慮なく中へ入ってくる。
どうするのが正解かわからないけど、俺はあいつの舌を追いかける。
唾液を送られれば飲み込んでみてチラッと藍斗を見ると、嬉しそうなあいつの顔があるから安心するんだ。
俺たちが恋人同士かっていえばたぶん違う。
あの後別に話し合ったわけでもない。
藍斗は全部を酒の所為にしようと思えばできたけどしなかった。
でも俺も藍斗を責めることはない。
拒否はしようと思えばできたと思うから。
あの日あんなことになったのは、俺にとって間違いなく予想外の出来事だったけど、あいつは本当はずっとああしたかったんだって、震える指先から悟ってしまった。
俺が思っていた俺たちのこれからと、藍斗が欲していたこれからは、全然違う方向を向いていた事に気づいた俺は、まだその中間に2人が満足できる丁度良いこれからがあるんじゃないかって模索している。
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