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不安
藍斗の家から帰ってきて自室に入ってベッドに倒れこむ。
ああ、もう俺完全に藍斗に翻弄されてしまってる。
もしあのまま藍斗にもっと先を求められてたら…
俺は応じてたかもしれない。
あの先は、つまり全身で藍斗を受け入れるってことで………
考えたらまた体が熱くなる。
きっと藍斗は俺を抱く時も宝物みたいに優しくしてくれるだろう。
服を脱がされて…全身をあの目で見つめられるんだろうか…
下半身に熱が集まってきた。
次はここも触られるだろうか。
自分の手でそっと触れて、ゆっくり撫でてみる。
目を瞑って、藍斗に覆われて…
ズボンのチャックを開けて自分のそれを取り出した。
ここを藍斗に見られるんだ。
考えただけでそこの質量が増した。
もうしっかり勃ってしまったそこを自分の手でそっとにぎってスライドさせる。
頭ではずっと藍斗に見つめられる想像をしながらどんどん手の動きを早めた
「ぁ……ふっ…」
もう限界も近い。手の動きもより早くなる
藍斗…
「んんっ!」
手の中に自分の精を吐き出した。
息が乱れて額から汗が滴る。
天井を見上げて、数分そのまま動けなかった。
自慰で射精したあとは虚しさに襲われる。
今日もそうなんだけど、急に頭の熱が引いたせいで思考が違う方向へ動き出す。
自分はこんなに藍斗のこと求めてるんだって、自覚したら急に心細くなってきたんだ。
なんだかこわい。
藍斗も俺を求めてるのは知ってるのに、もし藍斗の気持ちが今より感じられなくなったら俺は…耐えられるだろうか?
それ以上に藍斗が他の誰かに微笑みかける方が想像するのも苦しい。
自分は答えも出していないくせにそんな事まで考えてしまう。
体はまだだるいけど起きて、ティッシュで自分の手についた精液を拭き取った。
隣に鏡があったから顔を見る。
髪なんかボサボサで、ものすごく情けない顔してる。
藍斗はこんな俺のどこを好きになってくれたんだろう。
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