大学

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「仮に君の藍斗への気持ちが無くなったとしても、藍斗は君を諦めないだろう。 その時にどう行動にでるか予測がつかない危うさがあるんだ。 それに対して君はどう思う?」 「………」 どう思うもこうも、それってもう俺に選択肢はないじゃないか。 俺の気持ちに関係なく逃げる事はできないって言われている様なものだ。 お父さんは今日見た中で一番真剣な顔をしている。 決して大袈裟な話ではないのだろう。 「僕は…多分藍斗から離れる選択はしないと思います。どうせ離れないなら、藍斗と楽しくやっていけばいいのかなって…」 大人の人に対して返すにはつたない返答だったなって自分で思う。 どうあっても未来の俺の隣には藍斗がいるなら、2人とも笑い合っていれたらそれでいいと思った。 「そうか。」 お父さんの表情が柔らかくなった。 「藍斗の愛する人が君みたいな子でよかった。私も君となら2人とも幸せにやっていってくれると思うよ。」 聞きたい事が聞けて満足したのかお父さんの纏う空気は軽い。 「幸太郎君は何か私に聞きたいことはないかい?」 切り替わったお父さんはちょっとうきうき俺の質問を待ってる。 「藍斗は僕と同じ大学に行こうとしてますけど、お父さんはそれでいいんですか?」 藍斗は良くてもお父さんの意見は違うかもしれない。 「あぁ、それなら大丈夫、大丈夫。 君との未来に不利になる様な選択はしないはずだから。必要な知識は自分で調べる子なんだよ。 藍斗のこと心配してくれたのかい?」 「はい、藍斗頭いいから…」 「心配しないでくれ。そもそも高校も家から近いからってだけで今のとこに決めていたよ。通学に往復1時間や2時間かけるなら、早く帰って好きな勉強する方がいいって。」 …いいんだろうかそんな選び方で。 確かに高校は徒歩圏内だし、大学も藍斗の家からは電車でそんなにかからないな。 「高校を出たら2人でこの家に住む予定なんだろう?それも私は楽しみにしてるんだよ。帰ったら可愛い息子が2人もいるなんてね。 あの子は昔から家にいるのが好きな子だったもんな」 聞いてなーい。何それ知らない。 いつからあったんだよそんな話。
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