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ヤキモチ
次の日の朝、直登に先輩のことを話してみた。
「ぬぁーにぃー!!!抜け駆けかよ、くぉうたるぅぉおお」
と大体想像通りの反応だった。
「いやいや、まだ付き合ってないから」
と言えば、逆にキョトンとして
「そうなのか?あ、好みじゃないとか?どんな感じの人?」
「んー、第一印象はきれいで、告白された時は可愛いと思った。」
「なんだそれ!アバウトな説明のくせに十分羨ましいぞ」
はははーって2人で笑う。
きっと直登とは俺が付き合ってもなくても、このままなんだろうなと思う。
そんなことを俺がつぶやけば
「当たり前だろ?まぁ、お前が嫁に行く時には俺がしっかり相手を選別してやるよっ!」
「いや、だから俺はお前の妹じゃねーしっ!」
「妹なら彼氏すら作ってほしくねー」
って1人笑ってる直登に思い切って、昨日の藍斗とのことを話してみた。
「はぁ?なんであいつが怒るんだよ」
わからない。
告白のこと聞かれただけなんだけど…あれは怒っていた。
「多分だけどさ、ヤキモチなんじゃねーの?あいつお前にべったりじゃん。俺はお前の好きにしていーと思うぞ。」
ヤキモチ?
俺はなんとなく…全然知らない相手と付き合おうとする俺に、藍斗は嫌悪感を抱いたんじゃないかって勝手に想像していた。
でもヤキモチと言われると、それもそうなのかなって思う。
あの藍斗がヤキモチ…
それってなんか…可愛くないか?
直登はまだ「本当あいつ子供っぽいよなー」と愚痴っていたが、俺はなんだか早く藍斗に会わなきゃいけない様な気持ちになっていた。
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