罪の意識

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昔の僕は、“不幸の子”として村のみんなに嫌悪され、子供たちには虐められていた。 レオはそれに対して何かをするわけではないけど、周りのように僕を差別することはなかった。 ただの友人として、僕に接してくれた。 そんなことが僕は嬉しくて、いつもレオの後ろをついて回った。  それにレオも何も言わなかった。 満たされた日々とは言えなくても、僕はそれだけで十分だったのだ。 僕という存在を受け入れてくれる人がいる。 それ以上に求めることは何もなかった。 そんな日々は、ある時一瞬にして消え去ることになる。 始まりは一人の老婆だった。 いつも通り朝早く井戸で水汲みをしていた僕は、背後からかけられた声に振り返る。 占い師として村で知られていた老婆は、鋭い視線で僕を射抜いた。 「今すぐここを立ち去れ」 「え?あの…」 「でなければ、お前はお前の大切な存在(もの)を不幸にする」 それは忠告だったのだろう。 両親を不幸にした自分が、また災いを引き起こすことへの忠告。 でも僕は、その言葉を了承することができなかった。 自分の知らない外の世界は怖かったし、何よりもレオの側にいたかった。 そのせいで、悲劇が起こった。 その時の記憶は合間合間が朧げで、途切れ途切れにしか思い出せない。 襲いかかって来る巨大な獣。 立ちすくむことしかできなかった僕は、次には何かに突き飛ばされていて。 目の前に赤が広がった。 僕の髪と同じ色。 不幸の象徴の色。 崩れ落ちるレオの姿に声も出なかった。 しかし次には容赦なく飛びかかって来る獣に対し、レオは背中に大怪我を負いながらも所持していた銃の引き金を引く。 森に響き渡る銃声。 バサバサと鳥が羽ばたく音が聞こえた。
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