罪の意識

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今日何度目かのため息を漏らす。 無心で仕事をしようとするが、何度も頭の中で昨晩のことが思い出され、レオはまったく集中できずにいた。 昨日のパーティにて、【レグルス】との絡みの後、抑えられない苛立ちから一人で会場をふらついていたレオは、先程別れたばかりのセシルに声をかけられた。 従者は何処に行ったのか、俺と同様一人の白猫野郎はいつも通りヘラヘラとした笑みを浮かべている。 舌打ちを漏らし睨み付けるが、特に効果はなかった。 まぁこいつが動揺するなんてハナから思ってもいないが。 「らしくないなぁレオ。そんなにムカムカしちゃって、そこら変のガキみたいだ」 「……テメェは相変わらずのにやけ顔だなサイコ野郎」 わざわざ二度も干渉して来るとは。 こいつがなんの意図もなく話しかけて来るわけがない。 さっさと要件を済ませるため無言で促せば、セシルは笑顔のままさらりと告げた。 「あの赤毛ちゃんさ、俺にくれよ」 「……は?」 不覚にも間の抜けた声が出る。 セシルは壁にもたれかかると、片手に持ったワイングラスを軽く揺らした。 中の赤ワインがユラユラと光を反射する。 「……人のモンに手ぇ出そうなんざいい度胸だな」 「元はレオだって無理やり引きこんだんだろ?俺にとやかく言える立場じゃないと思うけど」  一瞬言葉に詰まる。 それを見たセシルはいつもとは違う影を落とした笑みを浮かべると、次にはレオに背を向けた。 「そんなに大切ならちゃんと守って見せなよ、荒々しいナイトくん」
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