罪の意識

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「こんないい場所があるなんて知らなかった!」 「結構入り組んだとこにあるから、気付きにくいよね」 「逆になんでレオは見つけられたのか謎だよ。今まで独り占めしてたなんて、ずるいなーほんと!」 湖の近くで二人昼食をとりながら談笑する。 無邪気に話しかけてくるコルネに、自分はちゃんと笑えているだろうか。 強張る頬を必死で緩め、コルネの話に応じる。 隣のコルネが、手に持ったカップを口につけお茶を飲んだ。 既に一杯分は飲んだはずだ。 僕は味のしないバケットサンドを無理やり咀嚼し喉に流し込む。 少しずつ、コルネの声に力が乗らなくなっていくのが分かった。 ユラユラと揺れる体を横目に確認し、シオンはバケットサンドの最後の一口を口に含む。 次には大きくグラついたコルネの体が地面に吸い込まれていく。 しかし倒れ込む前に手を伸ばしたシオンは、その小さな体を抱きとめた。 そうしてゆっくりと彼を原っぱの上に横たえ、立ち上がる。 コルネが部屋に訪れる前まで作っていたのは、睡眠作用の強い薬膳茶だ。  強力なものではないが、姿を消すのにそれほど時間は必要ないだろう。 それに長い間ここに眠ったまま放置するのも危険だ。 こんなすぐに決行することになるとは思わなかったが、やるなら早い方がいい。 罪悪感に胸を締め付けられるのをグッと堪え、シオンはその場を後にした。 睡眠作用の効果から考えて、グズグズしている暇はない。 「ごめんね、コルネ…、みんな…」 ごめんなさい…。ごめんなさい…。 森の中を駆け抜けながら、ギュッと瞼を瞑る。 だめだ、いけない。揺らぐな。 僕は、ここにいてはいけないから。 みんなを、レオを、不幸にさせてはいけないから。 だから、離れなければ。 僕は、レオと一緒にいてはいけないんだ。
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