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その後もミカエルの消息はようとして知れなかった。
結局、半年が経ってもミカエルはみつからず、これほど探してもみつからないのはきっともうこの国を出たのだろうという結論に達し、ガーラとシーサー親子は一旦ノルディーナ王国へと帰って行った。
「アンジェリーヌ…ミカエル、どこに行っちゃったんだろうね?」
「親交のある国には協力を頼んだし、ノルディーナ王国の方でも全力で捜索を始められるでしょうから、きっとそのうちみつかるわよ!」
「もしも、みつからなかったら、僕、ミカエルを探しに行かなきゃ!」
「カパエル、本気なの?!」
「うん!もうしばらく待ってみて、それでもみつからなかったら、僕、ミカエルを探しに行くよ!
だって、ミカエルは僕の恩人だもん!」
「恩人じゃなくて、お兄様でしょ。
あなたの気持ちはわかるけど、あなたはこの国にとって大切な人なのよ。
ううん、この国だけじゃないわ。
私やサミュエルにとってもかけがえのない人なの。
そのことを忘れないで…!」
「うん、わかった!」
「あ、そうだわ!
ぶーたんを連れて来なくっちゃ!
シーサーが帰ったから、今日からはまたずっとサミュエルと一緒にいられるわね。
サミュエル、ぶーたんをお迎えに行きましょう!」
アンジェリーヌに抱かれたサミュエルとカパエルは、うさぎ小屋の前で呆然と立ち尽していた。
「ぶ、ぶーたんが…!!」
小屋の金網が破られ、ぶーたんだけがいなくなっていたのだ…
つづく…かもしれない(再)
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