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ミカエルが姿を消してから、早や一週間の時が流れていた。
「遅い!遅すぎるわ!!
こんなに帰って来ないなんて…まさか、ミカエルの身に何か……
あんた!!警護隊には本気で探させてるんでしょうね?!」
「ええ!それはもちろん!
ですが、なかなか情報が……」
その時、扉を叩く音が響き、警護隊長が部屋に入って来た。
警護隊長は、アンジェリーヌに深々と敬礼をすると、彼女に近寄り小声で囁いた。
「アンジェリーヌ様!お話が……」
「一体、どうしたっていうの?
もしかして、ミカエル様のこと?」
「どうか、こちらへ……」
警護隊長は、アンジェリーヌを部屋の片隅に連れていくと、小さな声で話を始めた。
「実は…先程掴んだ情報なのですが……
ミカエル様らしき男性が…あの…その…ある場所で…ですね……」
「何なの?ある場所ってどこのこと?」
「それがですねぇ…アンジェリーヌ様、お耳を……」
警護隊長は、アンジェリーヌにそっと耳打ちをした。
「な、な、なんですって!?
ミカエル様がそんないかがわしい店で、そんないかかわしい行為を?!」
「そうなんです。
我が国ではそのような商売は認められておりません。
ですから、その店の者達は商売のことが知られては困ると城にも届けなかったそうですが、たまたまその店の近くでミカエル様らしき人物をみかけたという情報が多数寄せられておりまして、念入りに調査を進めた所、ようやくその店を突き止めたということで……」
「その…いかがわしい店でいかがわしい行為をしたのは、ミカエル様に間違いないの?」
「はい!
写真を見せた所、間違いないと申しておりましたし、さらに……これをごらんください!」
警護隊長は、アンジェリーヌの目の前に一枚の封筒を差し出した。
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