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「こ、これは!この封筒の紋章はノルディーナの国の王族のものだわ!」
「その通りです。
ミカエル様らしき男性がこの封筒に金を入れて、料金を支払ったそうです。
しかも、支払った金はノルディーナ王国の紙幣だったそうです。」
「そうなの……では、やはりミカエル様に間違い無さそうね。
それで、ミカエル様は今どこに?」
「それはわからないのですが…
なんでも、店の女性従業員に、奥様とうまくいってないとか、蒸発したいとかおっしゃってたそうで……」
「じょ…蒸発?!
では、ミカエル様は……」
「ミ、ミ、ミ、ミ、ミカエルの奴~~~!!」
「ひ、ひいぃぃーーー!
オニガワラ様、いつの間に……」
「聞いたわよ!!
やっぱりミカエルの奴、浮気してたのね!
あの人の行く所っていったら、どうせ女の所しかないと思ってたわ!
しかも、蒸発だなんて……
許さない…!絶対に許さない!
草の根わけてもみつけだして、ぎったぎたのばっらばらにしてやるぅぅぅ~~~!」
ひぃぃぃぃぃ~~~!
オニガワラから発せられる怒りのオーラに、その場にいた全員が凍りついた。
(ミカエル様がみつかったら、間違いなく命はないわ…
どうか、みつかりませんように……)
アンジェリーヌは、心の中で神に祈った。
ガーラは、絶対にミカエルを自分の手で探し出すとばかりに、次の日からミカエルの捜索に加わった。
*
「ぶーたん!ぶーたん!」
「ぶひー」
サミュエルは、あの日以来ペットとして飼われている子豚のぶーたんとますます仲良くなっていた。
最近はいつも同じベッドで仲良く横になっている。
ぶーたんとは、もちろん、あのミカエルだ。
あの日、サミュエルを子豚に変えようと変身の呪文を唱えたミカエルは、サミュエルの持っていた手鏡によって自らが子豚に変わり、それと同時にミカエルとしての記憶も失っていたのだった。
「サミュエルは、本当にぶーたんのことが大好きなんだね。」
サミュエルは、カパエルの言葉がわかっているかのようににっこりと微笑んだ。
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