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そんな時、ミカエルの頭の中にどす黒いアイディアがひらめいた。
(そうだ…!この手があった!!
きっとこれならうまくいくぞ!!)
*
「ちょっとーーー!」
どすどすという地響きと共に、おっさんのような野太い声が響き渡る。
「はい!……まぁ、オニガワラさんじゃありませんか。
どうかなさったんですか?」
「うちのミカエル見なかった?」
「え?ミカエル様ですか?
お見かけしませんでしたが…いらっしゃらないんですか?」
「本当にいないのぉ?」
「はい。」
(ミカエルのことだから、きっとアンジェリーヌの所だと思ったのに……
いないってことは、それじゃあ外へ行ったのかしら?
……もしかして、またキャバクラ?)
「ねぇ、この辺にキャバクラはないの?」
「……キャバクラ…って、なんですか?」
(んまーーー!なによ、この女!
カマトトねっ!)
「まさか、その年でキャバクラを知らないなんて言うつもりじゃないでしょうね!」
その時、ガーラの背中のシーサーが大きな声で泣き出した。
その声は、まさに野獣の咆哮そのものであった。
「アンジェリーヌ様!!大丈夫ですか!!」
その声を聞きつけ、銃を構えた警護隊が部屋の中に雪崩れこむ。
「だ、大丈夫です。
ちょっと耳がじんじんしてるだけで……」
「今、こちらで獣の声がしたようですが……」
警護隊長は、銃を構えたままで部屋の中をきょろきょろと見まわす。
「まぁーーーーーー!なんて失礼なんでしょう!
うちの子の鳴き声を獣と間違えるなんて……
ちょっと、あんた!警護隊に一体どんな教育してるの!!」
「す、すみません。オニガワラさん……」
「とにかく、すぐにミカエルを探してちょうだい!」
「は、はいっっ!ただいま!」
*
その時、ミカエルはあやしげな裏通りにいた。
「俺だってことがバレちゃ困るからな。」
ミカエルは、これから行おうとしているすべての悪巧みをどこかの悪い魔法使いのせいにするため、魔法使いらしい衣裳を探しに来たのだ。
(しかし、それらしきものって売ってないもんだなぁ……
ま、確かに、今時、昔ながらの魔法使いの格好をしてる奴なんていないもんな。
っていうか……おぉぉっっ!ナース服じゃないか!
すっげー!こっちは女子高生だ…!!)
ミカエルの目がランランと輝く……
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