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「お客さん…お好みの女の子ともっともっと楽しい所に行きたいとは思いませんか?」
「もっともっと…楽しい…所?」
「ええ…こっちの方はちょっとばかりかかりますがね…」
黒服は、親指と人指しで丸い形を作って示した。
「行く行く行く行く行くーーーー!!
金ならある!!」
「了解致しました。
では、どの子になさいますか?」
「じゃ、じゃあ…
女子高生と、女王様と…あとナース!!」
「えええーーー!三人もですか?!
お客さん…あんたも好きねぇ……」
やがて、ミカエルは、女子高生、ナース、女王様を引き連れ、「お持ち帰りボックス」と書かれた奥の小部屋に消えて行った……
*
「ちょっと!!
ミカエルは、まだみつからないの!!
もう夜中だっていうのに、まだ帰って来ないのよ!」
フィンラ城では、ミカエルがなかなかみつからないことでガーラの怒りはますます大きくなっていた。
「す、すみません。
今、城の者に懸命に探させておりますので、もうしばらくお待ち下さい。」
「オニガワラさん、お菓子でも食べる?」
カパエルが差し出したお菓子を、背中のシーサーがひったくってぱくっと食べた。
「うわっ!びっくりした!
すごいねぇ…シーサーは、もうミルクじゃなくて普通のものが食べれるの?」
「うちの子は、あんたの子と違って成長が早いの!
ミルクなんて、生まれて三日で卒業したわ!」
「たったの三日で!?
シーサーはすごいんだねぇ…うちの子は発育が悪いのかなぁ…」
「そうだわ、オニガワラさん。
もう一度、お食事にしましょうか?」
すでに食事は済んではいたが、オニガワラの気をそらすには食べ物しかないとアンジェリーヌは考えたのだ。
「そうね…
じゃあ、そうしてちょうだい!
さっきみたいにケチ臭い量じゃだめよ!」
「さっきも10人前だったのに……」
すぐに食事の準備がなされ、ガーラとシーサーはその底無しの胃袋で、城の料理人達を驚かせた。
夜明け近くになり、やっと満腹になったガーラとシーサーは眠ったが、朝になってもミカエルは戻っては来なかった……
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