策略の結末

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「カパエル…起きろ!」 窓から声をかけたミカエルに、カパエルははっと目を覚ました。 「あ!ミカエル! どうしたの、そんな所から。 オニガワラさんがミカエルのこと探してたよ! 僕、オニガワラさんに知らせて来るね!」 「ちょっと待て、それより、王様がおまえのことを探してるようだったぞ。 俺のことは良いから、おまえは早く王様の所へ行った方が良いんじゃないのか?」 「本当?わかった~ じゃあ、僕、王様の所に行って来るね!」 カパエルは、王の元へ走り出した。 ミカエルは、眠るサミュエルのベッドへ少しずつ近付いていく。 (畜生! 実物は、テレビで見るよりもずっと可愛いじゃないか。 アンジェリーヌによく似てる… ……おまえに恨みはないんだが、おまえの父親が悪いんだ! 恨むなら父親を恨むんだな… なに、痛い事などなにもない…安心しろ……) ミカエルは、誰にもみつからないように慎重に城へ戻ると、そのままサミュエルの部屋へ向かった。 部屋の中の者をどうやって外へ追い出すかが難問だったのだが、幸いなことに部屋にいたのはカパエルだけ。 (本当にツイてた… あいつはあほだから、なんとでも言って騙せる。 さぁ、誰かが戻って来ないうちに早くやってしまわないとな……) ミカエルは、サミュエルの前で呪文の詠唱を始めた。 一心不乱に呪文を唱え、やがてサミュエルに向かって指をさし「えいっ!」と気合いの声を上げた瞬間、眠っていたサミュエルのつぶらな瞳がぱっちりと開いた。 それと同時にサミュエルは、お気に入りの手鏡を持ち上げた。 「あ……!」 ミカエルからサミュエルに向かって発せられた魔力が、鏡を通してミカエル自身に弾き返される!! 「あぁぁぁぁぁ~~~っっ!!」
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