7人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
「おぉ、おぉ、可愛らしい…まだ小ブタじゃな。
しかし、このあたりにいたのではいつシーサー様に食われるともわからん。
どこか安全な場所は…
そうじゃ、ラビッツ!
このブタをリカルドの家にかくまってやることにしよう。
あいつがカッパの村に行ってから、あの家は空き家のままじゃからな。」
「はっ!ただいま、荷車の用意を…」
すぐに荷車が用意され、ルーファスとブタは荒縄で縛り付けられる。
ドドドドドーーーーー
ひぇぇぇぇぇぇーーーーーー!
ぶひぃぃぃぃ~~~~!
人里はなれた山奥のリカルドの家も、ラビッツの俊足にかかればあっという間だった。
「ルーファス様、着きましたよ。」
真っ白な目をして泡を吹くルーファスに、ラビッツの気合いが入る。
「えいっ!」
「はっ!」
一瞬にして魂の戻ったルーファスは、あたりを見渡す。
「ここは…リカルドの家か?」
「さようにございます。」
「これ、小ブタ、しっかりせい!」
ぺしぺしと尻を叩かれ、小ブタは目を覚ました。
「ここなら安心じゃぞ。
しばらくはここで暮らすと良い。
エサは毎日持って来てやるからな。」
「ぶひぃ~」
ルーファスは優しく小ブタの頭を撫でた。
「では、また夜に来るからここでおとなしくしとくんじゃぞ。」
小ブタをリカルドの家にかくまうと、ラビッツは再び荷車をひいて城を目指した。
ドドドドドーーーーー
ひぇぇぇぇぇぇーーーーーー!
最初のコメントを投稿しよう!