ダチョウの底力

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 サブに蹴られ、俺は空高く舞い上がる。  俺たちは、種族間を越えた愛で結ばれていたはずではなかったのか。  あの求愛ダンスを唄いあった仲じゃないか。  あゝ、俺たちの愛は偽物だったのか。  サブ、俺の(たいじゅう)は、重かったのかい?  そう、俺は、サブを愛し過ぎる余り、根本的な事を失念していたのだ。  ダチョウの脳ミソは、目玉よりも小さく、鳥類によくあるようなも出来ない。おバカな鳥と言われる所以だ。  サブは、俺の事を覚えていた訳ではないのだ。  ダチョウは、人類の救世主、人類の星だ。  驚異的な免疫力を持ち、薬の開発の一翼を担う存在。  鶏の25倍もの大きさの卵を年間100個も産み、食料難も救うだろう。  ただ、脳ミソは目玉よりも小さく鳥特有の刷り込みすら出来ない。  脚力で繰り出されるキックは、ライオンすらも殺せる。  「教授、俺のダチョウへの愛は、教授にも負けません」  そして、俺は星になった。 【終】
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