ダチョウの底力

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「大変だー!教授がまた、ダチョウに蹴られた!!」 仲間の助けを呼ぶ声に手にしたスコップを投げ捨て駆けつけた。 柵の外に右足を抱えてうずくまる教授の姿を発見。 「教授! 大丈夫ですか⁉」 俺は、駆け寄り教授の肩を支えた。 「み、水谷君、後は任せた……」 ガクッとうなだれる教授。 「きょうじゅーう。死なないでください」 俺は、涙ながらに訴えた。 「わ、ワシはまだ死なん!」 「あ、生きてた」 「それより、ワシのいう事をよく聞け」 「ハイッ!教授」 「ダチョウは、ワシの事を覚えてくれない。でも可愛い。水谷君もダチョウを愛してやってくれ」  ガクッとうなだれる教授。 「きょうじゅーうっ!! 」 かくして、教授の愛したダチョウたちは俺に託されたのだった。
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