プロローグ

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魔国。 それは悪魔族が住む国。 そこに魔王ベルクレイヴは君臨していた。 他種族との共生を願った魔王と反対した悪魔族。 これは悪魔族のすれ違いから始まった物語ーー 「力吸収(パワー・ドレイン)!」 「ぐわあっ!」 その魔法は魔王に直撃する。 「これでお前の力は奪ったぞ、魔王」 「っ……」 ーー確かに力が……ーー 魔王の身長がだんだんと縮んでいく。 「醜い姿でこれからの人生楽しむんだな。ふははは!」 そう言い男は影のように消えていった。 遠くから従士が数人走ってくるのが見える。 少しぼやけるがそれだけは見えた。 「魔王様!ご無事ですか!?……って!なんですかその姿!?」 魔王は近くにあったガラスの破片を見つめた。 そこに今の姿が映った。 翡翠のような緑の瞳はそのまま。 だが、黒い体毛に包まれ小さなケモ耳がある。 尻尾の形……これは知っている。 「猫ぉぉぉお!?」 その叫びは魔王宮殿の外部まで響き渡った。 ーーまずい……とってもまずい……ーー
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