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翌日
「神様いますか?」
青年が今日も来た。てっきりもう来ないものだと思ってたのだが……。
「ああ、いるぞ」
「昨日はありがとうございました! 弟は、足の調子がいいって言ってました。お医者さんも、このままいけば大会に間に合うって。本当にありがとうございます」
「そうか、よかった。礼を言いたいのはこっちもだ。神社を綺麗にしてくれてありがとうな。しばらくのあいだは、願い事が叶えられそうだ」
俺が礼を言うと青年は驚いた顔でこっちを見てきた。そして、しばらく考えこんでいる素振りを見せたあと口を開いた。
「あっ、あの。またここに来ますね。あと、ここの掃除もたまにやります。なので、その……友達になってくれませんか」
「友達だと」
「すいません」
「いや、驚いただけだ。暇だったしな。人間の友人をつくるのも悪くない。いいぞ」
「本当ですか!! ありがとうございます! また、よろしくお願いします。じゃあ、行ってきます!」
「ああ、よろしくな。いってらっしゃい」
青年は高校に向けてかけていった。
「人間の友達か。ふふ、悪くないな」
明日、彼が来たら名前を聞くか。
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