願い事を叶えてやりたい

2/2
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
翌日 「神様いますか?」  青年が今日も来た。てっきりもう来ないものだと思ってたのだが……。 「ああ、いるぞ」 「昨日はありがとうございました! 弟は、足の調子がいいって言ってました。お医者さんも、このままいけば大会に間に合うって。本当にありがとうございます」 「そうか、よかった。礼を言いたいのはこっちもだ。神社を綺麗にしてくれてありがとうな。しばらくのあいだは、願い事が叶えられそうだ」  俺が礼を言うと青年は驚いた顔でこっちを見てきた。そして、しばらく考えこんでいる素振りを見せたあと口を開いた。 「あっ、あの。またここに来ますね。あと、ここの掃除もたまにやります。なので、その……友達になってくれませんか」 「友達だと」 「すいません」 「いや、驚いただけだ。暇だったしな。人間の友人をつくるのも悪くない。いいぞ」 「本当ですか!! ありがとうございます! また、よろしくお願いします。じゃあ、行ってきます!」 「ああ、よろしくな。いってらっしゃい」  青年は高校に向けてかけていった。 「人間の友達か。ふふ、悪くないな」  明日、彼が来たら名前を聞くか。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!