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タルガはテストニアに帰国して数日後、テストニア王室に呼び出される。王室にはもう二度と呼ばれないだろうと思っていたので、少し意外に思う。
国王と王妃の間に呼ばれ、緊張しながら入ると、中央のテーブルにティアラが輝いている。隣のカゴには子猫がいる。
タルガは駆け寄って見ようとして、警護員に止められた。当然と言えば当然か。
「明日、返還の儀を行う。タルガ、おまえの尽力のおかげだ」国王が言った。
タルガは慌てて深く礼をする。王妃が微笑んでいるのがかすかに見えた。
「礼に、会わせたい人物がいる。入れ」
国王が言って、タルガは脇のドアが開く音を聞く。そして靴音が近づき、自分の前でその人物が止まる。
「タルガ。立派になったなぁ」
ヘルシンキの港で死んだはずの顔が、しわだらけで笑う。
タルガは目を丸くして、それから腰を抜かしそうになる。
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