嘘つきの恋

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みんなの視線がグサグサ刺さる。 コンマ何秒かで決断した。これは平静を装い退散するべきだ、と。 「え、っまじ!?恋愛とか興味持たなさそうなのに!」 「どっちから告ったの!?」 「どこが好きなん?」 次から次へと飛び出す興奮した言葉を、高い位置で結んだポニーテールを振り切るように揺らし、空気の澄んだ廊下へ出る。 あいつの、少し驚いて、寂しげな顔が、心から離れない。
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