作家友達の作り方

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作家友達の作り方

 さて。  とりあえずティートに登録したものの、そこからどうすればいいかは全く考えていなかった。 「ええと……あ、そうだ、とりあえずプロフィールを……」  何もかもが初めてだと、どうしてもパニックになってしまう自分。一度真っ白になってしまうと、何も思い浮かばない。こうなった時は見本を見るに限る。  上位者のプロフィールを参考にしよう、と考えた私はランキング上位者たちのティートプロフィール画面の網羅を開始した。  ざっと見まわしたところ、登録している小説サイト、看板としている長編作品、得意ジャンル、好きなジャンルなどを記入している人が多かった。 「好きな小説好きな漫画……は、私は特にないかな。登録サイトは『スターノベル』のみで、ジャンルは……ファンタジーが好き、と」  今でも忘れない。  私を虜にした、天使の翼の描写。  翼の動き、羽の舞い散り方、風の流れ、傍を通ったかのような音――まるで、本物の羽ばたきを聞き、羽ばたく天使の姿を見たのかと錯覚するほどの衝撃を私に与えたあの作品。  昔すぎて題名は忘れてしまったけど、あれほどに感動と衝撃を受けたのは漫画や映画でもなく、あの小説だった。  あれを読んだ後に私が思ったのは何故か、もっと読みたい、よりも、私もあの世界を書きたい、だったのだ。 「誰かの心に残したい」  そして同時に、自分の心にも一生残したい。
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