初めての友達

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「わ、わ、わ」  チェックしている間にも増え続ける通知に私はパニックを起こしかけていた。  けれど、嫌な気持ちは全くなくて、枯渇していた何かの感情が沸き上がる感覚があった。  満たされる  その言葉が、相応しいだろうか? 「見つけてもらえた……!」  初手は、間違いなく好感触だ。  特集に入れられた時以上の反応に自分自身の心が震えるのを感じた。嬉しい、という気持ちが体中を埋め尽くし幸せにしてくれる。  この感情を色んな人に知ってほしい  生きる活力、とでもいうだろうか。  今なら何が起きても耐えられるし、悪いことが起きても幸せを噛みしめていられそうな、そんなパワーが沸き上がっていた。この沸き上がるものを色んな人に体感してほしい。そうしたら、人って、簡単に幸せになれるのではないだろうか。  ……なんて、大それたことを考えてしまうぐらい、浮き上がってしまっていた。 「見落としがないようにしないとっ……」  初手がうまくいったのだから、ここからが肝心だ。  誰も絶対に見落とさない。  他の人にコメントを返しているのに自分だけ返されなかった時の悲しみが半端がないのは自分自身が身をもって知っている。今ならそれが、たくさんのコメントがありすぎて見切れないからだとわかった。
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