初めての友達

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 何かがむくむくと沸き上がる思いが滾り、私は気合を入れるために両頬を力強くたたいた。  視界がじぃんと揺らぎ、戻る。  歪んだ視界から戻る瞬間に、私は何か生まれ変わったような気になれた。何故そう思えたのかはわからないけど、違う自分が頬を叩くと同時に入ったような感覚があった。  新しい何かを手に入れた私は、早速その人の小説を読み始めた。  感想はどう書けばいいかわからないけど、それは他の人のものを参考にしてはいけないと感じた。もし他の記事を少しでも読んでしまえば、私はその人の記事に似たようなものしか書けなくなるだろう。  それじゃだめだ。  内容だけは自分の色を持たないといけない。 「まず、響いたところ、感動したところをメモって、そこを褒める。正直な言葉で。そして、気になったところ、わからなかったところを尋ねる。口調はできる限り柔らかく、絶対に棘にならない文で、でも、正直で――」  記事作成ページを開いたまま、小説を読む。  気になる所があるたびにメモって、書いて、メモって、書いてを繰り返した。  昔の読書時間より倍も時間がかかるしかなり手間のいる作業だけれど、半年間文章を書いていた私は幸いタイピング速度は早い。さらに、簡単に文をまとめるのが得意なおかげで感想も苦もなく書けた  ――とはいえ、作品が良いから感想を書きやすいとも言えた。  何より、この作品の現代ファンタジーの世界が私の心にすごく刺さった。
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