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だから、特に響いた描写とか、勉強になった部分などをピックアップして滅茶苦茶褒めちぎって感想を書いた結果、それに感動した人気者の狐ちゃんが拡散し、私の名前が一気に知れ渡ることとなった。
この状況に、私は最初は、計画通り!、と喜んだ。
この調子でどんどん読んで輪を広げて私を知ってもらおうと頑張った。
でも、その中で。
私は、執筆ばかりしていたころには一度も持ったことのない感情を生んでいた。
「どうして、これが無料で読めるの」
どうして、誰にも読まれていない名作がこんなところに転がっているの?
そう思わずにはいられない作品に、いくつもいくつも出会った。狐ちゃんの作品に出会った時は、私には書けないものを書けて羨ましい、という気持ちが確かにあった。
だけど、たくさん読んでいくうちにその気持ちは気づいたら時空の彼方に消えていて、どうして読まれてないの?なんで?という疑問ばかりで埋め尽くされていた。
その思いが大きく膨れ上がると共に、私の作品紹介は上位へ行き、私の作品が読まれるようになった。
私が紹介した作品も読まれるようになっていったけど、明らかに私の作品の方がアクセス数が多いだろうことがわかる結果があった。少し前の私なら喜んだであろうに、私はそれが複雑に感じて仕方がなかった。
私の作品より間違いなく面白いのに。
どうして皆こっちを読んでくれないの?
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