独りぼっちの執筆

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「みんな……ティートやってるんだ」  ティート。それは、私がなんとなく敬遠していたSNSアプリだ。学生の頃からある、いつからあるかわからないほど昔からあるこのSNSアプリは、国内国外問わず色んな人と繋がれてしまうアプリで、学生時代では主にワイワイと騒がしい陽気な人たちがやるイメージの強いものだった。自分には無関係で縁のないものだと思っていたのだ、が。  そのSNSをランキング上位者全員がやっていた。クリックしてそれぞれのアカウントに飛んでいくと、フォロワーが多く、そして、上位者同士でも繋がっていることに気づいた。 「うわ……え、この人たちみんな繋がってるの? え、上位者全員仲間同士……?」  SNS上を飛べば飛ぶほど知らなかったことが見えてきて、ざわ、と嫌な感情が沸き上がり、吐きそうになった。 「なに、これ……え、まるで……」  知り合い同士で閲覧増やしてランキングを制覇しているようなものじゃないか 「ずるい……」  それじゃあ、独りぼっちでひたすら半年間書き続けていた私は何?  交流をしないでずっとずっと一人でやっても意味がないってこと?  そこまで思って、私はハッとコンテストの受賞者ページを見た。  そこも、繋がっている人ばかりで、SNS上では「おめでとう」に埋め尽くされたコメントや「やったー!」と喜ぶ記事があちこちに散乱していた。 「そんな……コンテストも……?」
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