100億年の放浪

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100億年の放浪

 僕が生まれた時代から遥かな時が流れた。  太陽が膨張し、水という水が干からびて地球の表面はカラカラ。海だった場所の深い海溝すらむき出しになり人間の想像を超えた世界が目の前に広がる。 当時、そんなことが起こるのは70億年後とも100億年後とも言われていた。だからそれくらいの時が経っているのだろう。僕はもう、そんなレベルでしか時の流れを測れない。  不老不死を願ってしまってから、永遠にも思える時を放浪してきた。だがそれもようやく終わりが見えてきた。今にも爆発しそうな太陽が迫ってきているのだから――。
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