この子のために

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 だって私は何もしてない! 前世なんて言われても知らない! 私のせいとは限らないじゃない!  もう疲れてしまった。夫の親戚から責められる日常に。そんなことが日常になってるなんておかしいけど、向こうは誰もおかしいなんて思ってないみたい。  だから神様、お願い申し上げます。この子に、ご加護を……。  私は泣いた。何度も泣いてきた。けれど私以外誰も泣いていない。この子のことを考えている人なんか一人もいない。私だって私のことしか考えていないようなものだ。  けれどあの人たちはきっと気づかないまま、あの子のためという顔で。余計なことを。
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