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その一言に両親は目を丸くして言葉を失っている。
そんな状況を理解できず固まっている両親に少年は涙を流してながら言った。
「もう、僕のことはいいから、やめてよ」
「親戚のおじさんに何度も頭下げてお金借りたり」
「休みも、寝る時間も我慢して駅で募金お願いしたり」
「もう……僕のためにそんなになるまで……やめて」
少年は大粒の涙を流しながら、病室の布団を力いっぱい握り締め言った。
すこし病室には静寂が流れた。
そんな病室で父は少年以上に涙を流しながら口を開いた。
「馬鹿を言うな!」
「少しづつだがお金は集まっているんだ!」
「まだ時間は掛かるけど、絶対お金は集まるんだ」
父の今まで見たことない姿に少年はすこしびっくりしたが微笑みながら返した。
「お金が集まる前にぼく、死んじゃうよ」
その言葉を聞いた瞬間母は泣き崩れた。
父はそれを受け入れられず更に大声で事実を拒絶していた。
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