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◆
街の外。隣町へ向かう街道の入り口で、少女は手を組み祈る。
「お待たせ」
「良かった!キーッぐ」
少女に声をかけた青年は慌てて彼女の口を塞ぐ。
「名前は言うな」
「すみません……一時はどうなるかと思いましたが、本当に1人で逃げられるなんて、流石です!」
「あんな遅い魔法攻撃で殺されてたら、俺は山で何回も死んでるよ……」
少女はふと、街の中心に目を向ける。
「幻覚を使ってまで外に来たのは私ですが、この国はどうなるんでしょうか?」
「さぁな。心配なら祈っておけばいいんじゃないか?」
「そう、ですね。全ての人々に祝福があらんことを」
セプティノは手を組み祈りを捧げてから、街道を歩き出しているキースを追いかけた。
(了)
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