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その男のことが、私は苦手でした。
立場上、個々人に対してそのような見解を持つことは不適切であることを承知のうえで申し上げますが、率直に言うと私はその男のことが嫌いでした(現時点でもよく思ってはおりません)。
しかし彼の存在は、少なくとも私の凝り固まった先入観を砕き、視野を拡げたという点で決して矮小なものではなかったということは、先にお伝えしておきたいと思います。
いまからどれだけの期間を遡るのか、それすら曖昧になりつつあります。私も記憶がクリアではなくなってきていますので、記憶を整理するために、当時のことを改めてキャンパスノートに書き記しておきたいと考えたものです。
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