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「まあ、お待ちよ。呼べる、っていうのは、言葉の上のことさ。 太陽は、神樹に生まれる。やがて時が来て、鳥が太陽を目覚めさせると、この世界を光で照らすんだ。やがて太陽が燃え尽き、また神樹に太陽が再生する。だけど鳥が逃げてしまった」 「鳥がいないと、目覚められず世界に飛び立てなかった太陽が、神樹を焼き尽くし、世界から太陽が失われてしまうんだったわね。 でも太陽は宇宙にある星なんだし、今日も空にあったよね。まあ、今日も曇っているけど」 「水神様の太陽は、現実の太陽とはつながっているけど、そのものではない。世界の光であり、精神を照らす光なんだ。 水神様の太陽が消えてしまったら、空は晴れず、正義も清らかさも思いやりも、いいものは全部、消えてしまうだろうね」 「悪人にはパラダイスみたいな世の中?」 「そんな気楽なものじゃない。戦争、飢餓、暴力。残酷なことってのは、底なしなのさ」 「そっか……」
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