81人が本棚に入れています
本棚に追加
「命を捧げることには変わりない。目覚めていても眠っているようなもの……。ただひたすらに祈り続けるんだ。太陽の再生と目覚めを。
だけどね、水神様はアイラを生贄にするつもりはないんだよ。アイラを生贄にしなくてもいいように、アタシに精命を分け与え、鳥を探させているんだから。自ら呪鎮の甕に入ってまでね」
「では、神木紫霧はどう関わっているんですか? 逆さ鏡がなければ、鳥を探せばいいだけの話だった……そうですよね? 紫霧は、なんの関係があるんですか?」
……ふう、と紅霧はため息を深くつきました。そしてしばらくうつむいていましたが、やがて決意したように顔をあげ、強い瞳で見返してきました。
「鳥は逃げたんじゃない。逃がされたんだ。たぶん、紫霧に」
「うそ……! 紫霧って……一体、何者なの?」
最初のコメントを投稿しよう!