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「おそらく紫霧は、別の次元の神の使い魔だ。水神様の神の木を燃やし、この世界を消そうとしているんだ」 「でも、なぜなの? なぜ紫霧は私たちの世界を消そうとしているの?」 「鏡の世界を覚えているだろう? 言ってみれば鏡の世界はこの世界の裏表だった。 けれど紫霧が別のトゥラナで繋ぐ、別の次元にある世界には、水神様ではない別の神がいるんだ。  アイラ達は、鏡の世界の一つをブラックホールに落として消してしまった。 人間が神がつかさどる世界に干渉する……。それは万有の(ことわり)(あだ)なす行為だと、別の次元の神は、判断しているらしいんだ。 まあ、ようするに気に入らないんだろうさ」 「でも! あの時は仕方なかったのよ」 「そんなこと、水神様もアタシも分かっているさ。だけど別次元の神は、許せないんだろうね」 「つまり、別次元の神は、水神様がつかさどるこの世界を排除したいから、紫霧に鳥を盗ませた。そしてさらに太陽を再生させることのできる巫女のアイラを排除しようとしている、ということなんですか?」 「ご名答! そういうことさ」 「私を消そうとしている……。じゃあその前に、私が(かめ)に入れば……」 「はやまった事を考えてはダメですよ、アイラ!」 「もちろんよ。私が自分を犠牲にして、生贄役を望むわけないじゃない!」と言って、アイラは私の心配を笑い飛ばしました。  紅霧は左側に首を傾けて、笑うアイラの横顔を注意深く見つめていました。
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