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「うーん。このネックレス見ていると暖かい気持ちになるの。でもあたしが買ったものじゃない。どうして持っているのかな? うーんうーん」  こめかみをもむだけでは刺激が足りなかったのか、いつの間にか拳をぐりぐりとねじ込んでいます。アイラはふっと微笑むと、稜佳のその手を掴み、頭を振ってみせました。 「稜佳、やめなさいよ。そんなに強く押したら、青くなっちゃうわよ。稜佳は多分、忘れた訳じゃないのよ。何か……、そうね、どういうことなのか分からないけど、何か操作されているのよ。 だから多分……思い出そうとしても無駄なことよ」 「アイラちゃん……」 「っ稜佳? 今、アイラのことを、なんと呼びましたか?」 「ええと、アイラちゃん?」稜佳は自分がアイラちゃんと呼んだことに、自分で驚いていました。「アイラちゃん。アイラちゃん」と口の中に入っている飴の味を当てるようとしているみたいに、名前を舌の上で転がして味わっています。 「はいはい」アイラがふざけて返事をしました。 「アイラちゃん、ってなんだか舌がしっくりくる。でもウィスハートさんはウィスハートさんで、なんか強くなったような必殺技を放っているような気がするけど」
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