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「うん、この前、一来君とファミリーレストランに行ってスイーツを食べた帰り道、肉屋のおばさんに呼び止められてね。  お肉屋さん()のブルドッグのロープが木にからまってしまったのを、一来君がほどいてあげたんだよ。 それでお礼に、ってたくさんコロッケくれたの。ブルドックが怖くて、遠くから見ていただけの私にもくれたんだよね。応援ありがとうって」 「稜佳、そのファミリーレストランに行ったというのは、先週の木曜日の事ですか?」と、私は口をはさみました。 「うん」  先週の木曜日と言えば、私を含めて四人でファミリーレストランにスイーツを食べに行った日です。 あの時、二人のアイラに関する記憶が失われ始めたことがわかり、アイラがしびれを切らして、先に帰ったのでした。  アイラが短気を起こさず、最後まで一緒にいれば、アイラも私もコロッケを食べることができたのに。 「フラーミィ、なによ、その目は。言いたいことがあるなら言えば!」 「いいえ、アイラ。ただ、ほんの少し、お気の毒になっただけです」 「何よ、それ! どういう意味なのよ!」  アイラのツインテールがメデューサの蛇の髪の毛のように、ウネウネうごめきました。まあ、それは私の脳内の映像ではありますが。
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