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「そっか……。それじゃあ、僕たちもその……鳥? 探すよ」 「はぁ? ばあっかじゃないのっ?! だいたい、こんな奇想天外な話、なんでそんなにあっさりと信じるのよ?」 「だって、アイラちゃんは嘘を言ってないと思うんだもん」 「だから、なんで……」 「記憶があてにならないなら、僕は感じるままに、信じたい人を信じるよ。アイラが嘘をついていてもいなくてもいいんだ。嘘なら嘘をつく必要があるからだ。だとしたらその嘘に、付き合いたいんだ」 「嘘ってわけじゃ……ないけど」 「ほら、私が言った通りでしょ? 嘘じゃないんだよ!」 「稜佳、そのドヤ顔、やめて。とにかく、駄目よ。聞いたでしょ? 別のトゥラナの神の狙いは私なの。ほら見て」と、アイラは袖をまくって腕をみせました。  黒い筋が、根っこのように肌に這っています。しかも前回見た時よりも、黒い筋が長く伸びていました。まるで木の根が成長しているようです。 「ね? ヒビが入ってるでしょ? もうすぐ私の体は、あのシャープペンのように砕けてしまう。冗談じゃなく。私の側にいたら、一来と稜佳もきっと狙われる。二人を守りながら、鳥を探したり紫霧と戦ったりするのは無理よ。あなた達は足手まといだわ」 「アイラ、手伝っていただきましょう」 「何言っているのよ、フラーミィ! ダメに決まっているでしょう」 「ですが、鳥を探すなら六つの目よりも十の目の方がいいでしょう。それに鳥が見つからなかった場合、世界は闇に包まれてしまいます」 「そうなる前に、私が生贄になればいいんでしょ?」 「ダメだ!」「ダメだよ、アイラちゃん!」「馬鹿な事言うんじゃにゃいよ!」と三人の声が重なって響きました。
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