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「種を取れば平気なんじゃない?」
「ああ、そうかもね。でも、もうくし型に切っちゃったよ。試すのはこの次ね。紅霧さんはヴォイレイパ食べられます? 猫ちゃんだから、ノンオイルのツナとか入れた方がいいのかしら?」
「にゃん!」
「じゃあ、紅霧さんはツナね。フラーミィは?」
「ありがとうございます、サラ。では私も一緒にいただきます」
「ママ、今日は東京城南大学で講義だって言ってなかった?」
「そうなんだけど。あ、ちょっと待って、パンが焼けたみたい」
サラは緑色で楕円形のお皿にパンを乗せ、切ったトマトを添えました。
「急に全講義が休講になったの。構内にサバイバルナイフを持った人物が乱入して暴れたんだって。犯人は数人を傷つけた後、取り押さえられたけど、学生のショックも大きいからしばらく休校になったのよ。最近、暗い事件が多いなー、と思っていたけど、まさかうちの大学でねえ」
「ママ……、無事でよかった」
アイラはサラの体に腕を回して抱きしめました。
「あらあら、心配してくれるの? 大丈夫よ、私は」
「ママったら……。もう、なんなの、その根拠のない自信は?」
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