Higher Dimension  World

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「危ない事するのは、いつもパパかアイラじゃない。ママは身の安全第一ですよ。危ない事はしない。だから自分の心配より家族を心配している方が、心配するベクトルの向きは正しいと思うわ」 「そうかもしれないけど、ママが事故とか事件に巻き込まれる可能性がないわけじゃないんだから」 「だって、ねえ」お母さまはアイラの手を両手で包み込むように握りました。そしてアイラの手を見つめながら「ほら、また何か危険なことに手を出しているんでしょう?」と言いました。ヒビが見えないように、ゆったりした長袖が手首まで覆っていたのですが、サラは気が付いたようです。  アイラが手を引き抜いて隠そうとしましたが、サラはその手をギュッと握って引き留めました。 「アイラ、心配するのは母親の務めだからいいの。でもね、自分の身を大事にするのはアイラの務めよ。いいこと。ママはね、アイラが側にいて笑ってくれたら、それでいいの。そのためなら、世界中の人を敵に回してもかまわない。フラーミィもお願いね」 「かしこまりました、サラ」 「さあ、アイラもフラーミィも紅霧さんも、ヴォイレイパを召し上がれ」 「ありがとうございます」
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