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一来は鳥が死んでいるかもしれない、という可能性を指摘しました。しかし紅霧は即座に首を横に振りました。
「鳥は生きてるさ。なぜかっていうとね、鳥が死ぬと新しい鳥が生まれるんだよ。新しい鳥が生まれていない、ってことは鳥は生きているさ」
「じゃあ、やっぱり神木さんが飼っているんじゃないか?」
「紫霧がどうやって鳥を捕まえたのかはわからないけどね。鳥を捕まえ続けることは誰にも出来ないんだ」
「鳥籠に入れればいいんじゃない?」
「普通の鳥ならね。水神様の鳥には鳥籠も鍵も関係ないんだ。入れたと思っても、いつの間にか外に出ている。外にいたのに、鍵がかかっている鳥籠に自分で入っている。関係ないんだ、鍵とか扉とか。鳥にはね」
「拘束無効ってことか。それじゃあ、紫霧は鳥をどうやって捕まえたんだろう……?」
「ねえ、もしかして、紫霧は鳥を捕まえたんじゃなくて、単にトゥラナの外に逃がしたんじゃない?」アイラが人差し指を立てて言いました。
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