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一時間目の授業は英語でした。私はつまらぬ約束をしてしまったものだと思いつつ、アイラの髪にほどよいそよ風を送り、濡れた髪を乾かしていました。アイラの周囲には、私の香り、つまりジャスミンが、ほのかに漂っています。
父親がアメリカ人のアイラには、日本の英語の授業で学ぶべきものはない、それはわかります。しかし、だからといってあからさまに退屈そうに窓の外を眺めているというのは、いかがなものでしょうか?
アイラの髪を、風を吹かせて乾かしながら、せめて教科書やノートを開くようにと進言するタイミングを計っていると、ひゅっ、と上から何かが落ちて来ました。
すばやくよけると、その何かはアイラの頭に当たり、コツっと音を立てました。
「痛ったぁ……」
アイラは頭のてっぺんをさすりながら、机の横に転がった消しゴムを拾いあげました。
「ちょっと、フラーミィ、今、避けたでしょ! そこは従者として身を挺して、私をかばうべきなんじゃないの?」
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