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「アイラ、何が起こるかわからないので、それはやめてください」 「なあ、ゲートって、素材は何で出来ているのかな? 触っても平気かな?」 「あっ、一来、おやめになった方が」  一来は、私が止める前にゲートの柱を触ってしまいました。普段は慎重派なのに、意外にも好奇心には勝てないタイプだったようです。 「あれっ? 固そうに見えるのに、手が入る」  銀色のゲートの柱に差し入れた一来の手の周りに、波紋がとぷんと広がっています。 「ぐにゃっとして、ゆがむね。柱が溶けるみたいに。これ、なんだろう」  一来はシルバーに輝くゲートの手でかきまぜるように動かしました。何かおかしなことにならなければいいのですが… …と、心配していると、案の定、一来が大声をあげました。 「わっ! 何かに触られた……かも」 「ゲートを触っているじゃない?」 「違う感触で……柔らかくて、温かい。ははっ! なんだろう、握手かな……? うわっ、引っ張られる!」
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