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「う、うん。じゃあ、そうさせてもらおうかな。正直に言うと、足がガクガクでもう階段を登れないの」というと、稜佳は階段に腰を下ろしました。  稜佳を残して、私たちは階段をまた登り始めました。登って、角を曲がる。登って、角を曲がる。登って角を曲がる。そして登って……角を曲がった時。 「稜佳! いつの間に私たちを抜かしたの? って、そんなわけないよね。稜佳だもん」 「え? ええー?! アイラちゃん、さりげなく失礼だよ! だけど、確かに! なんで? 私は一歩も動いてないよ」 「どういうこと? 私たちはずっと登ってた。稜佳よりも高い場所に着いているはずなのに」 「もう一回やってみましょう」 「うん」  登って、曲がる。登って曲がる。登って曲がる。登って曲がる……。 「稜佳だ……」 「どういうこと?」 「じゃあ、今度は下ってみよう」  降りて、曲がる。降りて曲がる、降りて……。 「いる、ね……」 「降りて行ったアイラちゃん達が、上から降りてきた……。どうなってるの?」稜佳は頭を左右にブンブン振りました。「あー! 頭がおかしくなりそう!」 「これじゃあ、どこにも行けないじゃない」
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