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「え、なにそれ? わかんないよ! どういうこと? 登っているのに同時に下っている?わからないよ。気持ち悪い~!」
稜佳が混乱して、首をブンブン振りました。理解出来ないモヤモヤを頭から追い出そうとしているのでしょうか。
「ええっと。例えば、イラストに描かれた人物に意識があったとして、もしも僕たちがその人物を持ち上げたら……、稜佳ちゃんみたいに驚くだろうね。
つまり四次元以上の世界では、縦、横、高さだけじゃない、僕たちが知らない要素があるんだ。だけど、僕たちの世界を、僕たちが知らない要素がまだあるとして、四次元とする説もあるんだよ」
「四次元でも五次元でもいいけど、ここは私たちの世界よりも高次元ということね」
「紫霧が四次元またはそれ以上の次元の存在だとすると、三次元の私たちを四次元の空間に閉じ込めることは容易かもしれませんね。私たちには、四番目の次元が認知できないのですから」
クスクス、と笑い声が聞こえてきました。
「ご名答」
「紫霧……! 姿を見せなさい!」
「強気な事を言っても、無駄よ。ほらほら、頭に気を付けた方がいいんじゃない?」と楽し気に紫霧が言いました。
「頭……ですか?」
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