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「山田君は嘘をついているようには見えなかった。それならなぜ、投げてもいないのに、消しゴムが上から落ちてくるの? 羽がついている訳でもないのに」 「消しゴムは、ヤマダが持っているので、調べることは出来ませんが、先ほど空から落ちてきた石ならありますよ」とポケットに入れておいた小石を、アイラの机の上に置きました。  アイラは小石を指先でつついたり転がしたり、目の近くで覗き込んだりしていましたが、ようやくなんでもないただの小石だと納得したようです。 「これは、石ね。黒い線が入ってるけど、なにかしら? 落ちた時にヒビがはいったのかな。消しゴムよりも少し小さいみたい。両方とも上から落ちてきたと言っても、場所もモノも違うし、この石は消しゴムとは関係ないんじゃない?」 「しかし物が落ちてくるような状況ではないのに、立て続けに二つも物が落ちてきた……というのは、少々、気になります」
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