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「可能性がほんのちょっとでも! 0.1パーセントだとしても……」 「やめてよ。私と過ごしたこと、何も覚えてないんでしょう? ただの顔見知りのために、そこまでする必要なんてないじゃない」 「……そ、そうだけど」 「一緒にいた記憶がないなら、一緒にいなかったのと同じじゃない。私だけ、覚えていたって、そんなのなかったことと同じよ!」 「同じじゃない。ぜったい、同じじゃないよ!」  稜佳は首を左右に激しく振りました。あふれる涙を拭いもせず、目を離したらアイラがその隙に砕けてしまうとでもいうように、アイラを見つめて言い募りました。  「そりゃあ、アイラちゃんと一緒にいたこと、思い出せない。覚えてないけど……。でも、心が! アイラちゃんを好きだって叫んでるんだよ! 覚えてないけど! アイラちゃんが好きだっていうことは覚えてる!」 「……なんなの、それ。変なの……」  アイラは唇を尖らせ、小さな声で言い返しましたが、稜佳の一本勝ちだったようです。アイラの瞳が赤くにじみました。
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