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マミはあれでなかなか優秀な探偵です。彌羽学園内に異常があれば、きっと掴んでくるでしょう。見た目はただのクモとなんら変わりないのですが、マミはマミジロハエトリという種類のクモと影が融合した使役魔なのです。
……と、そこまで考えて、はたと気が付きました。マミには影がありません。クモと影が融合した存在だからです。
そして先ほどの黒猫……。なにか引っ掛かると思っていましたが、あの黒猫にも影がありませんでした。
(影なしの猫……)
落下してくるモノと影なしの猫は、おそらく関係があるのでしょう。日常が侵食されていくような気配がします。私はその味を確かめるように舌なめずりしていました。
どうやらアイラと同様、私も退屈していたようです。
「アイラ、髪が乾きましたよ」
しばらくの間、アイラには内緒で黒猫正体を調べてみることにし、さりげなく不可解な事象に関する会話を終わらせました。なぜならほんの小さなことでも秘密は蜜の味ですから。
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