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「うーん」一来が唸りながら瞼を持ち上げました。
「あ……あれ、あの鳥って」
一来の指さす先には、くちばしが大きな、おそらく鳥界でも、美人というよりは愛嬌がある顔の鳥がいました。
「うへっ、虫くわえてる! あっ、食べた……」一来が実況中継しています。
「フラーミィ、どうやって鳥を捕まえたの?」
「捕まっていたのは、鳥ではなく私たちだったのかもしれませんね」
「どういうこと?」
くすりと笑みがもれました。きょとんと首を傾げる稜佳があまりにも普通で、平和だったからです。
ケケケケケケケ……!
「あー! この笑い声! あの鳥の鳴き声だったの?!」
「じゃあ、ずっと一緒にいたってことか!」
「そうですね。では、鳥も帰ってきたことだし、私たちのありふれた三次元の世界に帰りましょう。紅霧、トゥラナをお願いします」
「ニャン」
紅霧が招き猫のように手を上げると、トゥラナが現れました。
「わあ……。綺麗」稜佳が嘆息をもらしました。
「水神様、さようなら」とアイラが言いました。
「ああ、お帰り」
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