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カルパと聞いて、アイラはとたんに不機嫌になりました。
「はあ? 神・カルパが? だったら私の周りをうろつくことないでしょ。どこか余所の学校に行ったらどう?」と、アイラは手でしっし、と追い払う仕草をしました。
「アイラおはよう! って、あれ?! 神木さん!」
「一来、おはよう。紫霧、って呼んでくれる?」
「よかった、神・カルパに精命を全て吸い出されてしまったかと思った」
「アイラの精命をもらったから。それに、カルパ様は三次元世界に興味をお持ちなの。人間どもにもね」
「人間ども? ちょっと失礼ね。だったら、どこか遠くに行けばいいでしょ?」
「あら、アイラ。慈悲をかけたものの命と運命を背負う、なんてカッコイイこと言っていたじゃない。アイラはあたしに精命を与えたんだから、責任もってくれるってことでしょ」
「あの時は……!」
「なぁに? 口ばっかりなの?」紫霧は後ろ手に手を組み、顔をアイラに近づけてのぞきこみました。
アイラは言い返せず、悔しそうにそっぽを向きました。
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