紫霧

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「いいじゃない。アイラの側にいれば、おもしろいことが起きるのは確実なんだから。それに一来がアタシと友達になる予定だって言っていたし。アタシはアタシの記憶を作りたいんだ」 「それを言うなら、思い出を作りたい、じゃないか?」 「そう、それ!」と、紫霧は屈託なく笑って、一来をピッと指さしました。 「いっっっきぃぃぃぃ」アイラは低音のデスボイスを響かせると、クルッと後ろを向きました。ひゅうっと風きり音が響き…… 「痛っ!」 アイラのツインテールが一来の頬を打ちました。 「アイラ、痛いじゃないか!」 「そんなこと言える立場なの? 私との思い出を全て忘れておいて」 「あら。見苦しいわよ。自分との思い出を忘れないで……なんて」 「なんですって? 人の思い出を盗んだ張本人がよく言うわね! 紫霧こそ、なりすましで人に取り入ろうなんて、あさましいんじゃない?」 「おあいにく様。もうウィスハートさんの思い出は返却済みよ。返したと言っても、私は思い出を借りた時に、全て記憶をしたから忘れた訳じゃないけど」 「そ、そうなの……?」
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